第223回放送より
終戦後、おしんの元に雄の戦友、川村が訪ねてきます。川村が届けたのは雄の遺品である日記…。
「母さん 人間 水さえあったら生きられるって本当ですね。ここのところ 谷川に沿って歩いているので ありがたい事に水には不自由しません。雑草と水だけでもう何日が過ぎたか。これ以上もう痩せる肉も無くなりました。母さんのライスカレーが食べたい。子どもの頃、今夜はカレーだって時はズボンのベルトを緩めて食卓に座りました。あれが本当の幸せってものだったんだと今になって気が付きました。もうあんな時は二度と帰ってはこないのだろうか。その時は何とも思わなかった事がどんなに幸せだったか…。それが分かった時にはもう手の届かない世界になってしまいました。今ならあの1杯のライスカレーのありがたさを心から味わう事ができるのに…。何もかも遅すぎました。」
「母さん。母さんがお釜のご飯のおこげにしょうゆをまぶして握ってくれたおむすびは本当においしかった。お魚やレンコンやゴボウのササガキや枝豆やニンジうに現れるのを待っていたおはぎ。母さんが作ってくれたものはどれもおいしかった。」
「僕はとても女々しい男です。でも時々どうして僕がこんな異国で灼熱に焼かれ飢えに苦しみながら当てもなくさまよい歩かなければならないのか分からなくなります。誰のために… 何のために…。 母さん 教えて下さい。 僕はお国のためよりも、天皇陛下のためよりも母さんのために生きなければならなかったのに…。 母さん… ごめんなさい。」
感想
この回だけは未だに泣かずに見ることができません。もう何十回見たかわからないけど…。